日本におけるペグ・インターフェロン+リバビリン併用療法の現状と問題点についてしっかりした議論がなされました。
印象に残った内容を以下に示します。
①高齢女性で効果が低下:高齢女性で持続的なウイルス消失(SVR)率が低下することが各施設から報告されました。原因についてははっきりしませんが、投与期間の延長やインターフェロンやリバビリンの減量を慎重に行うべきとの意見が出ました。
②治療開始12~24週でのウイルス陰性化例の扱いについて:この時期にウイルスが陰性化した症例は、開始後早期に陰性化した症例に比べて48週投与では効果不十分になる可能性が高いこと、72週投与を行った症例でSVR率が改善することが報告されました。
③インターフェロンおよびリバビリンの投与量について:インターフェロンの減量がSVR率に大きく影響することが報告されました。ペグ・インターフェロンは1.0μg/kg以上の投与が望ましく、投与量を減量した場合は予測される総投与量の80%以上は確保できるよう投与期間の延長などの工夫が必要との意見が出ました。
④患者さんへのアンケート:副作用の説明が十分できていない事例があることがわかりました。皮膚症状の説明が十分でない例が多いようです。一般向けには http://www.c-kan.net/のページがありますが、皮膚症状の説明は簡単なようです。今後、詳しい説明ページを見つけたら、ブログでも紹介したいと思います。以下にアンケート内容の抜粋を載せておきます。
患者アンケート
投与前に不安に思うこと
① 副作用
② 治療効果
③ 治療期間
④ 費用
途中でやめたいと思う理由
① 副作用(全身倦怠感 31%、皮膚症状 23%、貧血 9%、脱毛 9%)
② 治療期間
③ 費用
最もつらいと感じた時期
開始0~2ヶ月 60%
開始2~4ヶ月 31%
開始4~6ヶ月 23%
3割の患者さんが治療開始前の副作用の説明が不十分と感じていた
不十分と思われた副作用① 皮膚症状(かゆみ、皮疹) 31%
② 頭痛、体重減少 21%
③ 消化器症状 12%