2008年4月28日月曜日

第37回肝癌症例検討会(混合型肝癌)

4月26日に東京で第37回肝癌症例検討会が開催され、参加してきました。

今回のテーマは「混合型肝癌」でしたが、基調講演に加えて各施設から様々な混合型肝癌症例が報告され、今まで持ったイメージとかなり違うことがよく分かりました。

印象的だったのは、HCV関連の症例が多いこと、術前診断は肝細胞癌であることが多いこと、肝細胞癌、胆管細胞癌以外に肉腫様変化や扁平上皮癌の成分を持つものもあることです。

半年後にはproceeding (Liver Cancer)になるので読み直すのが楽しみです。Liver Cancerは癌と化学療法社から出版されており、下記HPで紹介されています。
http://www3.ocn.ne.jp/~ccp/liver/f_liver.html

2008年4月21日月曜日

感染症学会報告

4月17日~18日に松江で開かれた日本感染症学会に参加してきました。

初日に東芝病院研究部の三代俊治先生の肝炎ウイルスのオーバービューがありました。今回は三代先生の地元である島根県での開催であり、出雲弁の話や、出雲風土記の話まで出て、いつも以上に面白い内容でした。お得意のE型肝炎ではgenotypeが本州と北海道で異なり、そのことが肝炎の重症度に関連していることが紹介されていました。

また一般演題では、最近増加しているgenotypeAの急性B型肝炎において一定頻度でHIVの重感染あり、使用する核酸アナログの種類に注意が必要であることが興味深かったです。

肝臓とは関係ない講演の中にも面白いものがありました。特に興味深かったのは、東京慈恵医大ウイルス学、近藤一博先生の「ヘルペスウイルスの潜伏感染と慢性疾患」の講演で、HHV-6というウイルスが慢性疲労症候群やうつ病と関連している成績を示されました。HHV-6はマクロファージや脳のグリア細胞に持続感染しているため、再活性化すると免疫異常や精神神経障碍をおこす可能性があること、再活性化を示唆する抗体が慢性疲労症候群でうつがある症例、うつ病、躁うつ病で健常人より高い陽性率であること、再活性化は仕事による生理的な疲労でも起こりうることを示されました。
こういう成績を見ると、無理のし過ぎは良くないと思われました。
詳しい内容がネット上に公開されています。興味のある方は下記HPをご覧下さい。

http://www.jst.go.jp/shincho/db/seika/2005_s/2005_s_3/2005_s_3_hiroukan/2005_s_3_hiroukan_1_1_4.htm