2011年10月27日木曜日

主な炭水化物食品のカロリー

炭水化物主体の食品のカロリーを図にしてみました。
思った以上にカロリーがある食品があります。
食パンはこれにバターやジャムを塗るので、さらにカロリーが高くなり要注意です。

2011年10月25日火曜日

メタボの生活指導は食事・運動両方の同時指導が重要

筑波大の中田由夫先生らのグループは、メタボ症例に対する生活介入において食事・運動の両方を指導した群で高い治療効果が得られたことを報告されています。
具体的な指導内容は、1日の食事摂取量が、男性1600kcal、女性1200kcal、運動は毎日30分で週1000-1500kcalです。
指導は集団指導形式で行い、仲間意識を持たせることで、脱落率が食事療法のみ2.5%、食事+運動療法で5.4%ときわめて低いのが特徴です。

2011年10月7日金曜日

鉄代謝は肝臓病治療の要

三重大学、藤田尚己先生の「鉄代謝は肝臓病治療の要」という講演を拝聴しました。主にC型肝炎の鉄過剰と瀉血のお話でしたが、鉄代謝に関わるホルモンであるhepcidinの意義がよくわかりました。
hepcidinは消化管からの鉄の吸収を抑える役目があり(下図)、鉄過剰になると血中濃度が上がるのですが、C型肝炎ではferritin値に比してhepcidinの濃度が十分上昇していないことが分かりました。さらに、hepcidinの産生にはSmad4という細胞内シグナル伝達物質が必要ですが、その遺伝子レベルがC型肝炎患者の肝臓では低下していること、さらに、Smad4の働きを抑制するSmad6,7の遺伝子発現は逆に亢進していること、IFN治療でHCVが排除されるとhepcidinの血中濃度(正確にはhepcidin/ferritin比)が正常に戻ることが分かりました。
以上の成績から、HCV自体が細胞内で遺伝子レベルでhepcidin産生に関わっており、そのことが鉄過剰に繋がっている可能性が説明されました。
実地臨床では、瀉血を開始するferritin値の絶対値はなく、50-60ng/mlであっても、瀉血で10ng/ml以下にするとALTが改善する症例もあることが紹介されていました。


                        図はAdvances in Hematology vol.2010より引用

自己免疫性肝炎と原発性胆汁性肝硬変のオーバーラップについて

先日、東京慈恵医大の銭谷幹男先生の自己免疫性肝炎と原発性胆汁性肝硬変のオーバーラップについての講演を聞く機会がありました。
1999年の国際診断基準では自己免疫性肝炎の定義を厳密にするスタンスであったために、ステロイド治療が必要な自己免疫性肝疾患が認識されず、治療が遅れるデメリットが生じました。2008年の国際診断基準はステロイド治療が必要な自己免疫性疾患を認識することを主眼に作られています。
 
狭義の自己免疫性肝炎(AIH)と原発性胆汁性肝硬変(PBC)の間には、3つの疾患概念が存在することになりますが、今まで提唱されてきたoverlap症候群は厳密に定義すると非常に症例数が少なくなり、今後はoverlapという用語は使用しない方向になると考えられます。
実際の臨床の場では、症例数の多さからPBC寄りの症例(肝炎半強いPBC)が多数を占めることになると思われます。