4月17日~18日に松江で開かれた日本感染症学会に参加してきました。
初日に東芝病院研究部の三代俊治先生の肝炎ウイルスのオーバービューがありました。今回は三代先生の地元である島根県での開催であり、出雲弁の話や、出雲風土記の話まで出て、いつも以上に面白い内容でした。お得意のE型肝炎ではgenotypeが本州と北海道で異なり、そのことが肝炎の重症度に関連していることが紹介されていました。
また一般演題では、最近増加しているgenotypeAの急性B型肝炎において一定頻度でHIVの重感染あり、使用する核酸アナログの種類に注意が必要であることが興味深かったです。
肝臓とは関係ない講演の中にも面白いものがありました。特に興味深かったのは、東京慈恵医大ウイルス学、近藤一博先生の「ヘルペスウイルスの潜伏感染と慢性疾患」の講演で、HHV-6というウイルスが慢性疲労症候群やうつ病と関連している成績を示されました。HHV-6はマクロファージや脳のグリア細胞に持続感染しているため、再活性化すると免疫異常や精神神経障碍をおこす可能性があること、再活性化を示唆する抗体が慢性疲労症候群でうつがある症例、うつ病、躁うつ病で健常人より高い陽性率であること、再活性化は仕事による生理的な疲労でも起こりうることを示されました。
こういう成績を見ると、無理のし過ぎは良くないと思われました。
詳しい内容がネット上に公開されています。興味のある方は下記HPをご覧下さい。
http://www.jst.go.jp/shincho/db/seika/2005_s/2005_s_3/2005_s_3_hiroukan/2005_s_3_hiroukan_1_1_4.htm
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