高齢になるとHBVキャリアでもHBs抗原が陰性化して、一見、基礎肝疾患なしと間違える症例があります。今回はそのような症例で肝細胞癌の合併を経験しましたので紹介します。
本症例はHBs抗原陽性の時期がわかっていますので、HBVキャリアと診断できますが、そのような過去がわからない症例では、HBc抗体高値が診断に役に立ちます。
75歳、男性。たまたま行った超音波で肝SOLを指摘され紹介。10年前にHBs抗原陽性といわれたことがあるが放置。
Alb 4.0 mg/dl, ChE 225 IU/l, T-BIL 0.6 mg/dl, AST 26 IU/l, ALT 21 IU/l, LDH 173 IU/l,
γ-GTP 50 IU/l, AFP 6 ng/ml, PIVKA-2 141 mAU/ml, Plt 15.2万, PT活性 100%
HBs抗原(-), HBs抗体(-), HBe抗原(-), HBe抗体(+)98.3%, HBc抗体: 原血清 97.6%、200倍希釈93.9%
画像は典型的な肝細胞癌
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