慢性うっ血肝では胆汁うっ滞型肝障害を呈することを紹介しましたが、透析患者で除水不足で水余りになった患者さんで胆汁うっ滞型肝障害を認めました。除水してdry weightを下げることで、検査値は改善しました。
文献的には心臓移植前後の肝機能を比較したものがあり、うっ血の改善とともにALP、γGTPが改善することが報告されています(Transpl Int. 2005; 18: 697-702)
2011年5月26日木曜日
2008年6月8日日曜日
第44回肝臓学会総会(松山)に参加して
6月5日~6月6日にかけて松山で第44回日本肝臓学会が開催され、参加してきました。
C型肝炎、肝硬変、自己免疫性肝疾患、薬物性肝障害のセッションを聞いて来ました。
C型肝炎のセッションでは、現在、標準治療となっているペグインターフェロン+リバビリン併用療法について、ウイルス量の反応で72週にすべき症例の選択がかなり正確に行えるようになったこと、新規の抗ウイルス剤であるプロテアーゼ阻害剤・telaprevir (VX-950)の本格的な治験が今秋から開始になること、 高脂血症治療薬であるフルバスタチンの併用療法でウイルス消失率が上がってくることなどが報告されていました。
肝硬変については、脂肪性肝炎の症例が増加していることが注目され、肝癌合併例の1.6%、非合併例の2.7%が脂肪性肝炎であることがわかりました。
自己免疫性肝炎のセッションでは高齢者、男性、急性肝炎発症例といった非典型例が案外多く、薬物性肝障害との鑑別が難しい症例もあることが報告されていました。
薬物性肝障害のセッションでは最近10年を前後期に分けると、市販薬の頻度が高くなってきたこと(8.1%→10.9%)、アレルギー性機序を疑わせる好酸球陽性率が低下していること(31→24%)、症状を伴わない症例が増加していることがあげられていました。また、従来から診断に重要視されているリンパ球幼弱化試験の陽性率は36%であることがわかりました。予後は治癒が87%、死亡例が3.4%でした。原因薬剤として多い薬剤は塩酸チクロピジン36例、ロキソプロフェンナトリウム24例、フェニトイン15例、カルバマゼピン15例、ウコン13例でした。
C型肝炎、肝硬変、自己免疫性肝疾患、薬物性肝障害のセッションを聞いて来ました。
C型肝炎のセッションでは、現在、標準治療となっているペグインターフェロン+リバビリン併用療法について、ウイルス量の反応で72週にすべき症例の選択がかなり正確に行えるようになったこと、新規の抗ウイルス剤であるプロテアーゼ阻害剤・telaprevir (VX-950)の本格的な治験が今秋から開始になること、 高脂血症治療薬であるフルバスタチンの併用療法でウイルス消失率が上がってくることなどが報告されていました。
肝硬変については、脂肪性肝炎の症例が増加していることが注目され、肝癌合併例の1.6%、非合併例の2.7%が脂肪性肝炎であることがわかりました。
自己免疫性肝炎のセッションでは高齢者、男性、急性肝炎発症例といった非典型例が案外多く、薬物性肝障害との鑑別が難しい症例もあることが報告されていました。
薬物性肝障害のセッションでは最近10年を前後期に分けると、市販薬の頻度が高くなってきたこと(8.1%→10.9%)、アレルギー性機序を疑わせる好酸球陽性率が低下していること(31→24%)、症状を伴わない症例が増加していることがあげられていました。また、従来から診断に重要視されているリンパ球幼弱化試験の陽性率は36%であることがわかりました。予後は治癒が87%、死亡例が3.4%でした。原因薬剤として多い薬剤は塩酸チクロピジン36例、ロキソプロフェンナトリウム24例、フェニトイン15例、カルバマゼピン15例、ウコン13例でした。
2008年4月21日月曜日
感染症学会報告
4月17日~18日に松江で開かれた日本感染症学会に参加してきました。
初日に東芝病院研究部の三代俊治先生の肝炎ウイルスのオーバービューがありました。今回は三代先生の地元である島根県での開催であり、出雲弁の話や、出雲風土記の話まで出て、いつも以上に面白い内容でした。お得意のE型肝炎ではgenotypeが本州と北海道で異なり、そのことが肝炎の重症度に関連していることが紹介されていました。
また一般演題では、最近増加しているgenotypeAの急性B型肝炎において一定頻度でHIVの重感染あり、使用する核酸アナログの種類に注意が必要であることが興味深かったです。
肝臓とは関係ない講演の中にも面白いものがありました。特に興味深かったのは、東京慈恵医大ウイルス学、近藤一博先生の「ヘルペスウイルスの潜伏感染と慢性疾患」の講演で、HHV-6というウイルスが慢性疲労症候群やうつ病と関連している成績を示されました。HHV-6はマクロファージや脳のグリア細胞に持続感染しているため、再活性化すると免疫異常や精神神経障碍をおこす可能性があること、再活性化を示唆する抗体が慢性疲労症候群でうつがある症例、うつ病、躁うつ病で健常人より高い陽性率であること、再活性化は仕事による生理的な疲労でも起こりうることを示されました。
こういう成績を見ると、無理のし過ぎは良くないと思われました。
詳しい内容がネット上に公開されています。興味のある方は下記HPをご覧下さい。
http://www.jst.go.jp/shincho/db/seika/2005_s/2005_s_3/2005_s_3_hiroukan/2005_s_3_hiroukan_1_1_4.htm
初日に東芝病院研究部の三代俊治先生の肝炎ウイルスのオーバービューがありました。今回は三代先生の地元である島根県での開催であり、出雲弁の話や、出雲風土記の話まで出て、いつも以上に面白い内容でした。お得意のE型肝炎ではgenotypeが本州と北海道で異なり、そのことが肝炎の重症度に関連していることが紹介されていました。
また一般演題では、最近増加しているgenotypeAの急性B型肝炎において一定頻度でHIVの重感染あり、使用する核酸アナログの種類に注意が必要であることが興味深かったです。
肝臓とは関係ない講演の中にも面白いものがありました。特に興味深かったのは、東京慈恵医大ウイルス学、近藤一博先生の「ヘルペスウイルスの潜伏感染と慢性疾患」の講演で、HHV-6というウイルスが慢性疲労症候群やうつ病と関連している成績を示されました。HHV-6はマクロファージや脳のグリア細胞に持続感染しているため、再活性化すると免疫異常や精神神経障碍をおこす可能性があること、再活性化を示唆する抗体が慢性疲労症候群でうつがある症例、うつ病、躁うつ病で健常人より高い陽性率であること、再活性化は仕事による生理的な疲労でも起こりうることを示されました。
こういう成績を見ると、無理のし過ぎは良くないと思われました。
詳しい内容がネット上に公開されています。興味のある方は下記HPをご覧下さい。
http://www.jst.go.jp/shincho/db/seika/2005_s/2005_s_3/2005_s_3_hiroukan/2005_s_3_hiroukan_1_1_4.htm
2008年3月9日日曜日
胆汁の重要性
52歳,男
入院1ヶ月前から心窩部痛あり。入院3日前に近医に黄疸を指摘され,総胆管結石嵌頓が判明。当科紹介となりました。
入院後3日目にENBD挿入したところ,1日780-1350mlの排液ありましたが、
黄疸が増悪するとともに低ナトリウム血症も進行してきたために入院後14日目に内瘻化を施行。検査値は著明に改善しました。
胆道外科領域では胆汁が肝再生を促す効果がある効果があることが知られており、外瘻化した胆汁を飲むことが昔から行われてきました。
胆汁は腸肝循環を行っており、胆汁成分が腸管内にまったく入らない外瘻は胆汁の流れに影響を及ぼしている可能性があり、早期の内瘻化が重要であることを教えてくれた症例でした。
入院1ヶ月前から心窩部痛あり。入院3日前に近医に黄疸を指摘され,総胆管結石嵌頓が判明。当科紹介となりました。
入院後3日目にENBD挿入したところ,1日780-1350mlの排液ありましたが、
黄疸が増悪するとともに低ナトリウム血症も進行してきたために入院後14日目に内瘻化を施行。検査値は著明に改善しました。
胆道外科領域では胆汁が肝再生を促す効果がある効果があることが知られており、外瘻化した胆汁を飲むことが昔から行われてきました。
胆汁は腸肝循環を行っており、胆汁成分が腸管内にまったく入らない外瘻は胆汁の流れに影響を及ぼしている可能性があり、早期の内瘻化が重要であることを教えてくれた症例でした。
2008年2月24日日曜日
循環障害による肝障害③
循環障害による肝障害の3回目は慢性うっ血肝です。
急性うっ血肝はこのシリーズの①で紹介したようなAST,ALT,LDHの著明高値が特徴ですが、慢性うっ血肝では胆道系の酵素が上昇する特徴があります。
文献的には心臓移植前後の肝機能を比較したものがあり、うっ血の改善とともにALP、γGTPが改善することが報告されています(Transpl Int. 2005; 18: 697-702)
おそらく中心静脈周囲の細胞が障害を受け、毛細胆管も一緒にやられるために胆汁うっ滞型肝障害を呈するものと思われます。
また、潜在的にうっ血肝が存在する症例で薬物性肝障害をおこすと高度な胆汁うっ滞を呈する症例がありますが、これも同様に中心静脈周囲の障害が強いためと思われます。
急性うっ血肝はこのシリーズの①で紹介したようなAST,ALT,LDHの著明高値が特徴ですが、慢性うっ血肝では胆道系の酵素が上昇する特徴があります。
文献的には心臓移植前後の肝機能を比較したものがあり、うっ血の改善とともにALP、γGTPが改善することが報告されています(Transpl Int. 2005; 18: 697-702)
おそらく中心静脈周囲の細胞が障害を受け、毛細胆管も一緒にやられるために胆汁うっ滞型肝障害を呈するものと思われます。
また、潜在的にうっ血肝が存在する症例で薬物性肝障害をおこすと高度な胆汁うっ滞を呈する症例がありますが、これも同様に中心静脈周囲の障害が強いためと思われます。
2007年12月10日月曜日
副腎不全を合併したC型肝炎
肝炎ウイルスマーカーが陽性だと、それによる肝障害と思い込んで他の病気に気付くのが遅れることがあります。
今回は副腎不全の診断に苦慮した1例を紹介します。
症例は62歳、男性。食思不振で当院受診。肝障害およびHCV抗体陽性があり、当科紹介。強ミノCを投与するも肝障害の改善傾向に乏しく,全身倦怠感,食思不振は増強した。心身症を疑い,初診から3ヶ月目よりデプロメール開始するも無効。 初診後4ヶ月目の 血液検査で低Na血症(124 mEq/l)を認めたため,副腎不全を疑いホルモンを測定したところコーチゾールS 1.1μg/dl,17-KS「 0.3mg/day, 17-OHCS 0.8mg/dayと副腎不全であった。さらにTSH 0.30 μU/ml, free-T4 0.38 ng/dl, free-T3 1.7 ng/dlと甲状腺機能低下症も合併していた。MRIで下垂体に嚢胞あり,これによる圧排で副腎および甲状腺刺激ホルモンの分泌が低下した機能低下症と考えられた。
ステロイド補充(ソルコーテフ100mg→コートリル10mg2錠)+甲状腺ホルモン内服で、症状および肝機能は著明に改善した。
今回は副腎不全の診断に苦慮した1例を紹介します。
症例は62歳、男性。食思不振で当院受診。肝障害およびHCV抗体陽性があり、当科紹介。強ミノCを投与するも肝障害の改善傾向に乏しく,全身倦怠感,食思不振は増強した。心身症を疑い,初診から3ヶ月目よりデプロメール開始するも無効。 初診後4ヶ月目の 血液検査で低Na血症(124 mEq/l)を認めたため,副腎不全を疑いホルモンを測定したところコーチゾールS 1.1μg/dl,17-KS「 0.3mg/day, 17-OHCS 0.8mg/dayと副腎不全であった。さらにTSH 0.30 μU/ml, free-T4 0.38 ng/dl, free-T3 1.7 ng/dlと甲状腺機能低下症も合併していた。MRIで下垂体に嚢胞あり,これによる圧排で副腎および甲状腺刺激ホルモンの分泌が低下した機能低下症と考えられた。
ステロイド補充(ソルコーテフ100mg→コートリル10mg2錠)+甲状腺ホルモン内服で、症状および肝機能は著明に改善した。
2007年11月11日日曜日
慢性肝炎の治療ガイド 2008
日本肝臓学会 編纂の「慢性肝炎の治療ガイド 2008」が 文光堂から発行されました (2007/10)。
内容は急性肝炎から肝癌まで広範にわたっていますが、非常にコンパクトにまとまっており、研修医の先生にはお勧めですし、予備知識のある患者さんも十分理解できる内容と思います。
肝臓学会公認の本ですので、現時点では最も信頼に足る内容を持った本といえます。
http://www.amazon.co.jp/%E6%85%A2%E6%80%A7%E8%82%9D%E7%82%8E%E3%81%AE%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89-2008-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%82%9D%E8%87%93%E5%AD%A6%E4%BC%9A/dp/4830618671/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1198033046&sr=1-1
内容は急性肝炎から肝癌まで広範にわたっていますが、非常にコンパクトにまとまっており、研修医の先生にはお勧めですし、予備知識のある患者さんも十分理解できる内容と思います。
肝臓学会公認の本ですので、現時点では最も信頼に足る内容を持った本といえます。
http://www.amazon.co.jp/%E6%85%A2%E6%80%A7%E8%82%9D%E7%82%8E%E3%81%AE%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89-2008-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%82%9D%E8%87%93%E5%AD%A6%E4%BC%9A/dp/4830618671/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1198033046&sr=1-1
2007年9月10日月曜日
Wilson病の長期経過(超音波像を中心に)
2007.6.23のブログに健診で発見されたWilson病を紹介しましたが,15年以上前に無症状で発見され,D-ペニシラミンで治療を続けていたWilson病の患者さんで久しぶりに超音波をとる機会がありました。診断時にみられた結節エコーはかなり消失し,きれいになっていました。
肝硬変でも原因を取ってやればよくなる症例と思われ紹介させていただきます。今後はB型肝硬変やC型肝硬変でも核酸アナログやインターフェロンで肝硬変がよくなる症例も増えてくると思います。
診断時16歳男性。 診断時 セルロプラスミン 2.7 mg/dl, 尿中銅 815.3μg/day
肝硬変でも原因を取ってやればよくなる症例と思われ紹介させていただきます。今後はB型肝硬変やC型肝硬変でも核酸アナログやインターフェロンで肝硬変がよくなる症例も増えてくると思います。
診断時16歳男性。 診断時 セルロプラスミン 2.7 mg/dl, 尿中銅 815.3μg/day
2007年7月22日日曜日
サイトメガロウイルスによる伝染性単核球症
生活スタイルの変化により、かつては成人に達するまでにほぼ100%に近い感染率であったサイトメガロウイルス感染症ですが、成人以降で初感染の事例が増えています。今回、典型例を経験したので紹介します。
27歳、男性
入院1週間前より39℃台の発熱が続いていた。近医で感冒として加療を受けるも改善せず、当院受診。肝障害も認め入院。
発熱、全身倦怠感、食欲不振以外には呼吸器症状、消化器症状はなし。
飲酒歴:なし、喫煙歴:なし
最近、多忙で寝不足が続いていた。
入院時の採血で末梢血に異型リンパ球を認めるとともにIgM型のCMV抗体が高値(IgG型も軽度上昇、EBウイルスは既感染パターン)でサイトメガロウイルスによる伝染性単核球症と診断した。入院後も1週間は38℃近い発熱が続いたが、2週目より改善傾向になり、2週で退院となった。
かつては成人のサイトメガロウイルス感染症を見たら免疫不全症(特にAIDS)を疑いましたが、近年は健康成人例が増えています。原因としては成人までの感染機会が減少していることと、本例のように過労から一時的な免疫不全状態になってウイルスが増殖し、病状を悪化させているものと推測されます。
夜更かしと免疫不全については下記の本がわかりやすく解説しています。皆さんも睡眠はしっかり取りましょう。
人生、寝たもの勝ち (単行本)
ポール マーティン (著), Paul Martin (原著), 奥原 由希子 (翻訳)
よく生きるための眠り
たっぷり眠ると……
寿命が延びる
事故に遭わない
免疫力が向上する
記憶力がよくなる
スムーズな人づきあいができる
眠る人にが福が来る
27歳、男性
入院1週間前より39℃台の発熱が続いていた。近医で感冒として加療を受けるも改善せず、当院受診。肝障害も認め入院。
発熱、全身倦怠感、食欲不振以外には呼吸器症状、消化器症状はなし。
飲酒歴:なし、喫煙歴:なし
最近、多忙で寝不足が続いていた。
入院時の採血で末梢血に異型リンパ球を認めるとともにIgM型のCMV抗体が高値(IgG型も軽度上昇、EBウイルスは既感染パターン)でサイトメガロウイルスによる伝染性単核球症と診断した。入院後も1週間は38℃近い発熱が続いたが、2週目より改善傾向になり、2週で退院となった。
かつては成人のサイトメガロウイルス感染症を見たら免疫不全症(特にAIDS)を疑いましたが、近年は健康成人例が増えています。原因としては成人までの感染機会が減少していることと、本例のように過労から一時的な免疫不全状態になってウイルスが増殖し、病状を悪化させているものと推測されます。
夜更かしと免疫不全については下記の本がわかりやすく解説しています。皆さんも睡眠はしっかり取りましょう。
人生、寝たもの勝ち (単行本)
ポール マーティン (著), Paul Martin (原著), 奥原 由希子 (翻訳)
よく生きるための眠り
たっぷり眠ると……
寿命が延びる
事故に遭わない
免疫力が向上する
記憶力がよくなる
スムーズな人づきあいができる
眠る人にが福が来る
2007年6月23日土曜日
健診で発見されたWilson病
Wilson病は肝臓に銅がたまり、進行すると肝硬変になる病気です。
脳にも銅がたまって神経症状も出ます。昔は神経症状が出てから発見される症例が多かったですが、最近は35%程度になっているようです(Up To Dateによる)。
最近、健診で肝機能異常を指摘されたことが発見のきっかけになったWilson病を経験しました。
症例:19歳、男性
健診で肝障害を指摘され受診。超音波で肝内エコーがかなり乱れ、結節様エコーを認めるとともに、脾腫も認めた。Wilson病が疑われ、精査を行ったところ血中セルロプラスミン・銅の低値、尿中銅排泄の亢進、Kayser-Fleischer ringを認め、Wilson病と診断された。
Alb 3.4 g/dl, T-Bil 0.6 mg/dl, AST 51 IU/l, ALT 72 IU/l, LDH 192IU/l, ALP 694 IU/l, γ-GTP 83 IU/l, WBC 3600/μl, Hb 13.2 g/dl, Plt 14.5万/μl
セルロプラスミン 5 mg/dl (正常値21-37), Cu 42 μg/dl (正常値68-128), フエリチン 302 ng/ml, 肝炎ウイルスマーカー陰性 尿中銅 185.5μg/day (正常値4.2-33.0)
若年の肝疾患において超音波で結節様エコーを認めるのはWilson病、B型肝炎の頻度が高いです(B型肝炎は感染予防対策が功を奏して現在は激減しました)。
超音波所見の重要性を認識した症例でした。
脳にも銅がたまって神経症状も出ます。昔は神経症状が出てから発見される症例が多かったですが、最近は35%程度になっているようです(Up To Dateによる)。
最近、健診で肝機能異常を指摘されたことが発見のきっかけになったWilson病を経験しました。
症例:19歳、男性
健診で肝障害を指摘され受診。超音波で肝内エコーがかなり乱れ、結節様エコーを認めるとともに、脾腫も認めた。Wilson病が疑われ、精査を行ったところ血中セルロプラスミン・銅の低値、尿中銅排泄の亢進、Kayser-Fleischer ringを認め、Wilson病と診断された。
Alb 3.4 g/dl, T-Bil 0.6 mg/dl, AST 51 IU/l, ALT 72 IU/l, LDH 192IU/l, ALP 694 IU/l, γ-GTP 83 IU/l, WBC 3600/μl, Hb 13.2 g/dl, Plt 14.5万/μl
セルロプラスミン 5 mg/dl (正常値21-37), Cu 42 μg/dl (正常値68-128), フエリチン 302 ng/ml, 肝炎ウイルスマーカー陰性 尿中銅 185.5μg/day (正常値4.2-33.0)
若年の肝疾患において超音波で結節様エコーを認めるのはWilson病、B型肝炎の頻度が高いです(B型肝炎は感染予防対策が功を奏して現在は激減しました)。
超音波所見の重要性を認識した症例でした。
2007年6月6日水曜日
麻疹による肝炎
成人の麻疹が流行しています。
先日、肝炎+皮疹の精査で30代前半の患者さんが紹介されましたが麻疹でした。
大人の麻疹をみたのは初めてで皮疹も子供よりも華々しかったです。参考までに写真を載せておきます。
30歳代、男性
2007年5月下旬より39℃台の発熱あり。感冒として近医で加療を受けていたが改善傾向なし。約1週間しても解熱しないことと、症状発現時から徐々に増悪していた皮疹が発病後5日目には全身に広がり、腕では癒合傾向になったため受診。麻疹既往なし。ワクチン接種なし。
頸部リンパ節:腫大なし、口腔内:コプリック斑あり 耳介後部:紅斑顕著 躯幹、上肢>下肢 に融合傾向のある点状紅斑~丘疹あり
先日、肝炎+皮疹の精査で30代前半の患者さんが紹介されましたが麻疹でした。
大人の麻疹をみたのは初めてで皮疹も子供よりも華々しかったです。参考までに写真を載せておきます。
30歳代、男性
2007年5月下旬より39℃台の発熱あり。感冒として近医で加療を受けていたが改善傾向なし。約1週間しても解熱しないことと、症状発現時から徐々に増悪していた皮疹が発病後5日目には全身に広がり、腕では癒合傾向になったため受診。麻疹既往なし。ワクチン接種なし。
頸部リンパ節:腫大なし、口腔内:コプリック斑あり 耳介後部:紅斑顕著 躯幹、上肢>下肢 に融合傾向のある点状紅斑~丘疹あり
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