EOB取り込みが亢進した中分化型肝細胞癌 (肝胆膵画像 13: 220-222, 2011)
中分化型肝細胞癌では、EOBを肝細胞に取り込むことができず、肝細胞相でdefectになりますが、EOBを取り込む肝細胞癌あることが報告されています。
このような肝細胞癌では、OATP1B3やMRP2といったトランスポーターの発現が亢進している報告があります。
文献 1) J Gastroenterol 44: 793-798, 2009 2) Radiology 255: 824-833, 2010
EOBによる造影MRIで造影早期で濃染し、肝細胞相でEOBの取り込みが見られる肝腫瘍としては、EOB取り込みが亢進した中分化型肝細胞癌の他にfocal nodular hyperplasia (FNH)が考えられます。この二つの結節の鑑別は、sonazoidによる造影エコーのKupffer imageが有用と考えます。肝細胞癌ではdefectに、FNHではsonazoidの取り込みが認められる点が鑑別点になると思われます。
2011年5月13日金曜日
2010年12月5日日曜日
発癌抑制のためにAFP<10を目指す(C型肝炎)
東部肝2日目のランチョンセミナーで武蔵野赤十字病院の朝比奈靖弘先生の「我が国の現状を考慮したC型肝炎の治療戦略」を聞きました。
その中で、IFN治療後のAFPの平均値で発ガン率が大きく異なることが報告されました。AFPが平均10未満で発ガン率が低く、10未満に保つのが望ましいとの発表でした。
IFN少量長期投与でもAFPの低下が観察されますが、今回の成績はIFN少量長期投与の治療適応、治療目標を設定する上で大変参考になりました。
その中で、IFN治療後のAFPの平均値で発ガン率が大きく異なることが報告されました。AFPが平均10未満で発ガン率が低く、10未満に保つのが望ましいとの発表でした。
IFN少量長期投与でもAFPの低下が観察されますが、今回の成績はIFN少量長期投与の治療適応、治療目標を設定する上で大変参考になりました。
2008年4月28日月曜日
第37回肝癌症例検討会(混合型肝癌)
4月26日に東京で第37回肝癌症例検討会が開催され、参加してきました。
今回のテーマは「混合型肝癌」でしたが、基調講演に加えて各施設から様々な混合型肝癌症例が報告され、今まで持ったイメージとかなり違うことがよく分かりました。
印象的だったのは、HCV関連の症例が多いこと、術前診断は肝細胞癌であることが多いこと、肝細胞癌、胆管細胞癌以外に肉腫様変化や扁平上皮癌の成分を持つものもあることです。
半年後にはproceeding (Liver Cancer)になるので読み直すのが楽しみです。Liver Cancerは癌と化学療法社から出版されており、下記HPで紹介されています。
http://www3.ocn.ne.jp/~ccp/liver/f_liver.html
今回のテーマは「混合型肝癌」でしたが、基調講演に加えて各施設から様々な混合型肝癌症例が報告され、今まで持ったイメージとかなり違うことがよく分かりました。
印象的だったのは、HCV関連の症例が多いこと、術前診断は肝細胞癌であることが多いこと、肝細胞癌、胆管細胞癌以外に肉腫様変化や扁平上皮癌の成分を持つものもあることです。
半年後にはproceeding (Liver Cancer)になるので読み直すのが楽しみです。Liver Cancerは癌と化学療法社から出版されており、下記HPで紹介されています。
http://www3.ocn.ne.jp/~ccp/liver/f_liver.html
2008年1月13日日曜日
2007年10月28日日曜日
門脈圧亢進症における脾臓の重要性
JDDW2007の肝臓学会のワークショップ6「肝疾患における脾臓摘出術・部分的脾動脈塞栓療法(PSE)の功罪」で、脾摘、PSEで脾静脈血流が低下させることで門亢症が劇的に改善すること(静脈瘤の改善は47%、portal hypertensive gastropathyの改善は43-60%)、さらに血小板が増加することでC型肝炎に対するIFN療法や肝臓癌に対する化学療法が完遂できることが報告されました。
従来より脾摘の効果は学会誌などで報告されていましたが、PSEも脾臓体積の70%以上を塞栓すると脾摘に匹敵する効果が得られることがわかってきました。一方で塞栓の範囲が30%以下と不十分な場合は血小板増加などの効果は一過性であること。さらに巨脾の症例では広範な塞栓(540ml以上)は合併症が多くなることも報告されました。また、Child C患者では期待した効果が得られにくく、本療法は肝予備能に比較して脾腫および門亢症が目立つ症例が良い適応である印象を受けました。
脾摘後の血栓症も10%程度にみられ、抗凝固療法と慎重な経過観察が必要であることも合わせて報告されていました。
2007年9月15日土曜日
超音波造影剤
東京医大の森安史典先生の講演会があり、新しい超音波造影剤「ソナゾイド」について勉強してきました。
すでに学会などで動脈相における造影効果には驚いていましたが、今回の講演では単に造影早期の腫瘍のvascularityの評価だけでなく、造影剤注入後20-30分のKupffer image(肝細胞癌では造影剤が抜ける)を利用して、ラジオ波焼灼療法を行ったり、Kupffer imageで抜けた部分についてもう一度造影剤を注入することで動脈相を評価するなど色々な工夫を拝聴できました。
唯一残念なことはこのような素晴らしい造影は最新鋭の超音波診断装置でないと行えないことです。このような装置が広く普及して肝癌の診断、治療診療がより早期に行えるようになることを祈っています。
すでに学会などで動脈相における造影効果には驚いていましたが、今回の講演では単に造影早期の腫瘍のvascularityの評価だけでなく、造影剤注入後20-30分のKupffer image(肝細胞癌では造影剤が抜ける)を利用して、ラジオ波焼灼療法を行ったり、Kupffer imageで抜けた部分についてもう一度造影剤を注入することで動脈相を評価するなど色々な工夫を拝聴できました。
唯一残念なことはこのような素晴らしい造影は最新鋭の超音波診断装置でないと行えないことです。このような装置が広く普及して肝癌の診断、治療診療がより早期に行えるようになることを祈っています。
2007年6月30日土曜日
肝硬変と亜鉛欠乏
最近,亜鉛欠乏で種々の神経症状をおこすことが報告されています。
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2006dir/n2709dir/n2709_03.htm
肝硬変では解毒能が低下してアンモニアが蓄積する肝性脳症をおこしますが,今回,肝性脳症に亜鉛欠乏による意識障害を合併した症例を経験したので紹介します。
63歳,男性,C型肝硬変。約10年間の肝硬変の治療歴あり。3年前から肝性脳症で入退院を繰り返していました。
自宅療養が困難なため長期療養型施設に転院。転院後は胃潰瘍治療薬のポラプレジンク(亜鉛含有)が中止されていました。
転院6週で昏睡状態となり,当科に紹介入院となりました。入院時のアンモニアは123と低下していましたが,意識レベルの改善は今一歩でした。
意識レベルの低下に微量元素特に亜鉛が欠乏している可能性も考慮し、微量元素を点滴で投与したところ,翌日には意識レベルの改善を認め、食事摂取も良好となりました。
微量元素開始前の亜鉛は34μg/dlと低値でした。
最近,肝硬変患者さんでは亜鉛が欠乏しやすく,アンモニア代謝にも影響を及ぼしているとの報告も見られるようになっています。
http://www.ajimed.net/kanzou/tnc/tnc08_01.html
胃潰瘍治療薬のポラプレジンクには亜鉛が含まれており,これを内服するだけで亜鉛欠乏症が改善する報告もあります。
肝硬変患者さんでは亜鉛欠乏にも注意が必要です。
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2006dir/n2709dir/n2709_03.htm
肝硬変では解毒能が低下してアンモニアが蓄積する肝性脳症をおこしますが,今回,肝性脳症に亜鉛欠乏による意識障害を合併した症例を経験したので紹介します。
63歳,男性,C型肝硬変。約10年間の肝硬変の治療歴あり。3年前から肝性脳症で入退院を繰り返していました。
自宅療養が困難なため長期療養型施設に転院。転院後は胃潰瘍治療薬のポラプレジンク(亜鉛含有)が中止されていました。
転院6週で昏睡状態となり,当科に紹介入院となりました。入院時のアンモニアは123と低下していましたが,意識レベルの改善は今一歩でした。
意識レベルの低下に微量元素特に亜鉛が欠乏している可能性も考慮し、微量元素を点滴で投与したところ,翌日には意識レベルの改善を認め、食事摂取も良好となりました。
微量元素開始前の亜鉛は34μg/dlと低値でした。
最近,肝硬変患者さんでは亜鉛が欠乏しやすく,アンモニア代謝にも影響を及ぼしているとの報告も見られるようになっています。
http://www.ajimed.net/kanzou/tnc/tnc08_01.html
胃潰瘍治療薬のポラプレジンクには亜鉛が含まれており,これを内服するだけで亜鉛欠乏症が改善する報告もあります。
肝硬変患者さんでは亜鉛欠乏にも注意が必要です。
2007年6月9日土曜日
腫瘤の周りにfocal spared areaを形成した肝血管腫の1例
腫瘤の周りにfocal spared areaを形成した肝血管腫を経験しましたので以下に画像と解説を示します
50歳代女性
腹痛の精査目的で他院で超音波検査を行ったところ肝右葉に5cm大の腫瘤を認め、当科紹介となりました。
内部エコーは不均一な高エコーで辺縁に低エコー帯あり。非腫瘤部は脂肪肝。カラードプラでは辺縁低エコー部に一致して血流エコーあり。腫瘤内部にはドプラで描出されるレベルの血管は認めませんでした。
カラードプラ所見は肝癌としては非典型的でしたが、他の所見は肝癌を疑わせる所見であったため造影CTを施行しました。CTでは典型的な血管腫でした。
腫瘤辺縁に動脈血流が豊富であり、動脈血流優位になったために脂肪が沈着せず、focal spared areaを形成し、肝癌に類似した辺縁低エコーを呈したものと思われました。
50歳代女性
腹痛の精査目的で他院で超音波検査を行ったところ肝右葉に5cm大の腫瘤を認め、当科紹介となりました。
内部エコーは不均一な高エコーで辺縁に低エコー帯あり。非腫瘤部は脂肪肝。カラードプラでは辺縁低エコー部に一致して血流エコーあり。腫瘤内部にはドプラで描出されるレベルの血管は認めませんでした。
カラードプラ所見は肝癌としては非典型的でしたが、他の所見は肝癌を疑わせる所見であったため造影CTを施行しました。CTでは典型的な血管腫でした。
腫瘤辺縁に動脈血流が豊富であり、動脈血流優位になったために脂肪が沈着せず、focal spared areaを形成し、肝癌に類似した辺縁低エコーを呈したものと思われました。
2007年4月23日月曜日
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