東部肝2日目のランチョンセミナーで武蔵野赤十字病院の朝比奈靖弘先生の「我が国の現状を考慮したC型肝炎の治療戦略」を聞きました。
その中で、IFN治療後のAFPの平均値で発ガン率が大きく異なることが報告されました。AFPが平均10未満で発ガン率が低く、10未満に保つのが望ましいとの発表でした。
IFN少量長期投与でもAFPの低下が観察されますが、今回の成績はIFN少量長期投与の治療適応、治療目標を設定する上で大変参考になりました。
2010年12月5日日曜日
2010年12月4日土曜日
C型肝炎の治療予測におけるIL-28遺伝子多型の意義(東部肝)
12月2日~3日、肝臓学会の東部会に参加してきました。2日目のパネルディスカッション「C型肝炎診療の現在・未来」の中で、治療効果予測因子としてIL-28の遺伝子多型が多数例の症例で検討されて発表されていました。
確かに今までのマーカーの中では最も予測的中率は高いのですが、10%前後の症例で予測とは異なる結果になっていることも明らかとなりました。進行例で、新規の薬剤を待てない症例については、まず投与を行ってみて反応があれば72週の長期投与を行うなどするのが現実的対応であるとのニュアンスでした。
ただ、IL-28 の治療予測も現行のペグリバ併用療法で的中率が高く、現在治験が進行中の新規のプロテアーゼ是阻害薬では、治療困難例でもSVRになっていることも報告されていました。
2010年11月7日日曜日
自己免疫性肝疾患における抗核抗体の測定について
JDDW2010のポスターで自己免疫性肝炎における抗核抗体はELISA法よりも、昔ながらのIF法の方が感度が高い報告がなされていました。
これは、ELISAで使用している抗原がSLEに特異度の高いもので、自己免疫性肝炎に反応する抗原が固相化されていないためと説明されていました。
その発表を聞いて、自分がフォローしている自己抗体陰性(ELISA法による抗核抗体陰性)の原発性胆汁性肝硬変でIF法の抗核抗体を測定すると320倍と強陽性でした。昔ながらの検査にも良いところがあるのですね。勉強になりました。
これは、ELISAで使用している抗原がSLEに特異度の高いもので、自己免疫性肝炎に反応する抗原が固相化されていないためと説明されていました。
その発表を聞いて、自分がフォローしている自己抗体陰性(ELISA法による抗核抗体陰性)の原発性胆汁性肝硬変でIF法の抗核抗体を測定すると320倍と強陽性でした。昔ながらの検査にも良いところがあるのですね。勉強になりました。
2010年10月10日日曜日
B型肝炎再活性化による劇症肝炎の現状と対策
B型肝炎再活性化による劇症肝炎の現状と対策(日消誌107: 1426-1433, 2010)
移植や抗癌剤治療、さらにはTNF-α抗体など免疫を強く抑制する治療でB型肝炎が再活性化され、劇症化する症例が報告されています。
本論文は、そのまとめで対策のガイドラインも掲載されています。
報告例では悪性リンパ腫の治療例が多く、特にリツキシマブの使用例が多いことが最近の特徴です。
それを踏まえての診療ガイドラインが作成されています。
移植や抗癌剤治療、さらにはTNF-α抗体など免疫を強く抑制する治療でB型肝炎が再活性化され、劇症化する症例が報告されています。
本論文は、そのまとめで対策のガイドラインも掲載されています。
報告例では悪性リンパ腫の治療例が多く、特にリツキシマブの使用例が多いことが最近の特徴です。
それを踏まえての診療ガイドラインが作成されています。
2010年7月30日金曜日
メタボの生活指導に有用な本が出版されました
兵庫で整形外科を開業する中村巧先生がご自身のメタボ対策を1冊の本にまとめられました。
100歳を超えて人生を走れる身体づくり―Dr.中村&Dr.坂東の 目からうろこの21世紀の新しい食事と運動療法を
メタボリック症候群の治療で最も難しいのが治療です。多くの内科医が減量に成功できず、薬物療法主体で治療をしているのが現状です。
整形外科医である著者が、内科医の視点とは全く違った方法で減量プログラムに成功し、そのノウハウを余すことなく公開されています。
内科医である私が本書を読んだ時に目からウロコの連続であるとともに、自分の不勉強を大いに恥じました。
本書を参考にメタボの患者さんの減量に取り組むとともに、メタボの患者さんの予後を左右するであろう筋肉量低下によるロコモーティブ症候群に対しても積極的に介入していきたいと思いました。
2009年10月30日金曜日
β-インターフェロン+リバビリン併用療法が保険適応に
C型肝炎に対するβ-インターフェロンとリバビリンの併用療法が保険適応となりました。インターフェロンの投与方法は最初の4週を600万単位連日、その後は週3回となっています。
β型は鬱症状が出にくいインターフェロンであり、鬱症状が出やすい患者さんの治療の選択枝が広がりました。
2008年6月8日日曜日
第44回肝臓学会総会(松山)に参加して
6月5日~6月6日にかけて松山で第44回日本肝臓学会が開催され、参加してきました。
C型肝炎、肝硬変、自己免疫性肝疾患、薬物性肝障害のセッションを聞いて来ました。
C型肝炎のセッションでは、現在、標準治療となっているペグインターフェロン+リバビリン併用療法について、ウイルス量の反応で72週にすべき症例の選択がかなり正確に行えるようになったこと、新規の抗ウイルス剤であるプロテアーゼ阻害剤・telaprevir (VX-950)の本格的な治験が今秋から開始になること、 高脂血症治療薬であるフルバスタチンの併用療法でウイルス消失率が上がってくることなどが報告されていました。
肝硬変については、脂肪性肝炎の症例が増加していることが注目され、肝癌合併例の1.6%、非合併例の2.7%が脂肪性肝炎であることがわかりました。
自己免疫性肝炎のセッションでは高齢者、男性、急性肝炎発症例といった非典型例が案外多く、薬物性肝障害との鑑別が難しい症例もあることが報告されていました。
薬物性肝障害のセッションでは最近10年を前後期に分けると、市販薬の頻度が高くなってきたこと(8.1%→10.9%)、アレルギー性機序を疑わせる好酸球陽性率が低下していること(31→24%)、症状を伴わない症例が増加していることがあげられていました。また、従来から診断に重要視されているリンパ球幼弱化試験の陽性率は36%であることがわかりました。予後は治癒が87%、死亡例が3.4%でした。原因薬剤として多い薬剤は塩酸チクロピジン36例、ロキソプロフェンナトリウム24例、フェニトイン15例、カルバマゼピン15例、ウコン13例でした。
C型肝炎、肝硬変、自己免疫性肝疾患、薬物性肝障害のセッションを聞いて来ました。
C型肝炎のセッションでは、現在、標準治療となっているペグインターフェロン+リバビリン併用療法について、ウイルス量の反応で72週にすべき症例の選択がかなり正確に行えるようになったこと、新規の抗ウイルス剤であるプロテアーゼ阻害剤・telaprevir (VX-950)の本格的な治験が今秋から開始になること、 高脂血症治療薬であるフルバスタチンの併用療法でウイルス消失率が上がってくることなどが報告されていました。
肝硬変については、脂肪性肝炎の症例が増加していることが注目され、肝癌合併例の1.6%、非合併例の2.7%が脂肪性肝炎であることがわかりました。
自己免疫性肝炎のセッションでは高齢者、男性、急性肝炎発症例といった非典型例が案外多く、薬物性肝障害との鑑別が難しい症例もあることが報告されていました。
薬物性肝障害のセッションでは最近10年を前後期に分けると、市販薬の頻度が高くなってきたこと(8.1%→10.9%)、アレルギー性機序を疑わせる好酸球陽性率が低下していること(31→24%)、症状を伴わない症例が増加していることがあげられていました。また、従来から診断に重要視されているリンパ球幼弱化試験の陽性率は36%であることがわかりました。予後は治癒が87%、死亡例が3.4%でした。原因薬剤として多い薬剤は塩酸チクロピジン36例、ロキソプロフェンナトリウム24例、フェニトイン15例、カルバマゼピン15例、ウコン13例でした。
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