2011年5月9日月曜日

脂肪分を摂っていなくても体脂肪が増えることが・・・

健診で高脂血症を指摘されて受診される患者さんの多くが「私は油分は控えているのに、どうして脂肪が多いのか分からない」と話されます。
この体脂肪の大本は「糖質(炭水化物)」の摂り過ぎなのです。
炭水化物は本来は筋肉を動かすためのエネルギーでクルマにたとえるとガソリンです。
クルマの場合はガソリンタンクが一定で、ガソリンを無尽蔵に蓄えることはできませんが、人の場合は脂肪組織の中で糖質が脂肪に変わって無尽蔵に貯まっていきます。
これが脂肪組織です。
日本人は摂取エネルギーの6割を糖質(炭水化物)で摂っていますから、1600kcalを摂取している人は約1000kcalが糖質です。
これを運動で消費しようとすると大変なことがよく分かります。
痩せようと思ったら、糖質(炭水化物)の制限が重要です。
そして、運動を行ってカロリーの少量を少しでも多くすることも重要です。

2011年1月7日金曜日

NHKためしてガッテン「決定版!こんな簡単にやせちゃいましたダイエットSP」(2011.1.5)

1月5日放送のNHKためしてガッテン「決定版!こんな簡単にやせちゃいましたダイエットSP」で、ダイエットに関する興味深い事実がいくつか紹介されていました。

部分やせに成功するワザ
脂肪には、 1肝臓脂肪(第3の脂肪)、2内臓脂肪、3皮下脂肪の3種類があり、運動によってこの順番で減っていきます。
皮下脂肪が一番取れにくいので、皮下脂肪の多い太ももや二の腕はなかなか細くなりません。


効率よく痩せるワザ(運動は食前がいいのか食後がいいのか?)
食前が良い。
これは、運動をすることによって血糖が出て脳が満たされていくために空腹感が和らぎ運動後の食事量が減る効果があること、食後では食事で摂取した糖が利用されるのに対し、食前では脂肪が利用されることが紹介されていました。

膝の痛みを解消しながら痩せるワザ
以前から、同番組で10~20cmの台を上り下りするスローステップ運動が推奨されていましたが、膝が痛い人はステップ台の両側に椅子を置いて椅子の背もたれを手すり代わりに使うと膝の負担が軽くなること、消費カロリーは上半身の筋肉を使うために手すりを使わない場合と変わらないことが紹介されていました。

2010年12月6日月曜日

肝炎治療における連携システム

東部肝の2日目の午後のワークショップで肝炎ウイルス検診と医療連携の問題が議論されましたが、山梨大学が紹介した慢性疾患診療支援システムは出色の出来でした。
http://www.manseisien.jp/system5.html

IDとパスワードを入れればどこからでもデータが参照できること、大学病院ではデータがそのまま支援システムに流し込まれること、IFNやリバビリンの体重あたりの投与量もリアルタイムにモニターでき、adherenceの維持に役に立つことなど、欲しいと思った機能はほとんど実現されていました。

こういうシステムが大学や地域を越えて広がって、ゆくゆくは全国レベルの患者診療システムに成長すればいいなと感じました。

2010年12月5日日曜日

発癌抑制のためにAFP<10を目指す(C型肝炎)

東部肝2日目のランチョンセミナーで武蔵野赤十字病院の朝比奈靖弘先生の「我が国の現状を考慮したC型肝炎の治療戦略」を聞きました。

その中で、IFN治療後のAFPの平均値で発ガン率が大きく異なることが報告されました。AFPが平均10未満で発ガン率が低く、10未満に保つのが望ましいとの発表でした。

IFN少量長期投与でもAFPの低下が観察されますが、今回の成績はIFN少量長期投与の治療適応、治療目標を設定する上で大変参考になりました。

2010年12月4日土曜日

C型肝炎の治療予測におけるIL-28遺伝子多型の意義(東部肝)

12月2日~3日、肝臓学会の東部会に参加してきました。2日目のパネルディスカッション「C型肝炎診療の現在・未来」の中で、治療効果予測因子としてIL-28の遺伝子多型が多数例の症例で検討されて発表されていました。


確かに今までのマーカーの中では最も予測的中率は高いのですが、10%前後の症例で予測とは異なる結果になっていることも明らかとなりました。進行例で、新規の薬剤を待てない症例については、まず投与を行ってみて反応があれば72週の長期投与を行うなどするのが現実的対応であるとのニュアンスでした。


ただ、IL-28 の治療予測も現行のペグリバ併用療法で的中率が高く、現在治験が進行中の新規のプロテアーゼ是阻害薬では、治療困難例でもSVRになっていることも報告されていました。


 



2010年11月7日日曜日

自己免疫性肝疾患における抗核抗体の測定について

JDDW2010のポスターで自己免疫性肝炎における抗核抗体はELISA法よりも、昔ながらのIF法の方が感度が高い報告がなされていました。

これは、ELISAで使用している抗原がSLEに特異度の高いもので、自己免疫性肝炎に反応する抗原が固相化されていないためと説明されていました。

その発表を聞いて、自分がフォローしている自己抗体陰性(ELISA法による抗核抗体陰性)の原発性胆汁性肝硬変でIF法の抗核抗体を測定すると320倍と強陽性でした。昔ながらの検査にも良いところがあるのですね。勉強になりました。

2010年10月10日日曜日

B型肝炎再活性化による劇症肝炎の現状と対策

B型肝炎再活性化による劇症肝炎の現状と対策(日消誌107: 1426-1433, 2010)

移植や抗癌剤治療、さらにはTNF-α抗体など免疫を強く抑制する治療でB型肝炎が再活性化され、劇症化する症例が報告されています。
本論文は、そのまとめで対策のガイドラインも掲載されています。
報告例では悪性リンパ腫の治療例が多く、特にリツキシマブの使用例が多いことが最近の特徴です。
それを踏まえての診療ガイドラインが作成されています。